京都御所南 Gallery ICHIHARU アートお喋り空間

教養は一流の人脈をつくる。京都のアーティストが超一流の人生から学んだ、実学の教養空間。

ダメンズと恋愛中の脳ミソになってます/熱心で純粋なアーティスト志望者が騙されやすい理由。

こんにちは。
毬紗です。


メールのお返事です。

「スピリチュアル・クリエイターの資格が取れる講座を受けました。2日間で**万円でした。ですが、内容はどこかで聞いたことがあるものばかりで、不満があります。受講してしまったので、返金してもらえないし、泣き寝入りするしかありませんよね」

講座の内容によっては、返金可能ですよ。

広告等で、消費者に期待させるレベルと著しく違う場合は、返金対象です。

質問のメールの方には、個別で対策をお伝えしましたが、各都道府県の消費者センターの無料相談がありますので、まずはそこで相談してみてください。

私もある情報商材が、広告されている内容と一致しないと判断し、返金してもらった経験があります。


セッションなどを通して、つくづく思うのは、

「アーティスト志望者は、心が弱っていたり、情報弱者を対象にしたビジネスに、大変に騙されやすい」

ということです。

アートという、捉えどころがない世界にいると、心が不安定になりがちです。

評価基準も曖昧ですし、未来を予想することもできません。

「ぜったいに絵で食べていこう!自分を信じよう!借金してでも展覧会に出そう!」

と意気込んで、でも次の日には、

「ダメかもしれない。どうせコネも才能もない。どうしよう、お金たくさん使ってしまった」

と極端に落ち込んだりします。

感受性が強く、アップダウンが激しい人が多いのも、アーティスト志望者の特徴です。

「強烈に憧れて、激しく落ち込む」を繰り返します。

中庸な状態のときが少ないのです。

「ダメな異性と恋愛をしている人」と似たような精神状態に似ています。


そこで、占いやスピリチュアルなセミナーにハマっていきます。

「このセッションを受け続けていれば、特別な人になれますよ」

「これさえ受ければ、未来は約束されています」

と言ってもらえるので、その時には、精神の落ち着きが得られます。

費用が高額になっても、自分の収入とのバランスを無視して、払い続けてしまいます。

給与が手取りで20万円なのに、毎月、1回で3万円のセッションを受けたりします。

貯金はゼロです。

ですが、ドップリとハマっている間は、金銭感覚が狂っていることが自覚できません。

何故ならば、

「私は、素晴らしい未来に向かっているから、このくらいの出費は当たり前だ」

「今は貯蓄が減っているけれど、そのうち増えるはず」

と、未来の理想の自分を想像し、思い込めるからです。


ダメンズに貢いでいる時と、同じ精神状態になっているのです。

「今は愛されていないけれど、そのうちに彼も変わってくれるはず」と、貴重な時間とお金を注ぎ込みます。

周りが、

「その彼、変だよ」

「距離をおいて、冷静に考えてみて」

「本当にあなたのことを、考えてくれている人?将来に責任を取ってくれるの?」

と忠告しても、その時は「そうだね」と同意するのですが、すぐに「やっぱり彼でなければ、本当に幸せにはなれない」と、感情的に判断します。

ダメンズにハマっていく人は、ロジカルシンキングではなく、感情に振り回されて生きています。

その感情で動いた結果は、誰も責任を取ってくれません。

感情にしか理由がないので、「あれ?どうして私は、こんなになってしまったのだろう」と自分で自分が分からなくなっていくのです。


未来の収入は、理想の自分のメンタルやスキルではなく、その業界の市場や、自分の学歴やスキルに応じた報酬を一般的な指標から計算しなければ見えてきません。

例えばアートの場合、40代の中堅作家がデパートで展覧会をして、経費(材料費)をのぞいたら、トップ層の1〜3%ほど以外の作家は赤字です。

100人の作家がいて、デパートではなく、本人まで黒字にまで持っていけるのは、1〜3人程度です。

額装に凝ると、大赤字です。

200万円売りあげても、デパート、画商の販売手数料が80%ですと、画家が20%で、40万円が手元に残ります。

その40万円から、運送費、材料費、額装の経費を引けば、マイナスになることは多々あります。

アートの仕事で、

「いつかは儲かる日が来る」

「アートだけで食べていける」

というのは、自分で販売ルートを作らない限り、日本においては、限りなく夢物語に近いのです。


アート界の<不安定感>が、人の感覚を狂わせるのです。

アートの世界は、収入も評価も、なかなか安定しません。

ですので、いつでもどこにでも、不安定な人が溢れています。

その人たちを狙ったのが、キラキラ起業家女子ビジネスやキラキラ起業家ママなどの、

「メンタル系の満足だけで、やった気にさせる」

というビジネスでした。


このように、「高額で、価値が高そうで、全体的にキラキラしていそうなビジネス」に騙される人に共通している行動が、

「その道のプロに相談しない」

ということです。

画家になりたいのなら、画家として活躍している人に、

「私に将来性はありますか。どんな勉強をすればいいですか?」

と聞くべきです。

陶芸家になりたいのなら、陶芸家として活躍している人に、

「どこの工房で修行すればいいですか?」

と聞くべきです。

その道のプロしか知らない情報は、たくさんあります。

そして、プロに相談した場合、

「まずは写生を100枚やりなさい」

「まずは公募展に入選しなさい。何回落選しても、他の入選者の作品を研究して、チャレンジしなさい」

などと、地味で、難しい課題を要求されるでしょう。

「憧れでやるのなら、やめておきなさい」と言われることも、多くあると思います。

「有名大学を出ていないと無理」

「コネがないと無理」

「35歳過ぎている時点で無理」

「美人かハンサムでないと無理」

「恥を捨てて、一発芸的なもので消費される勇気がないと無理」

正直で、良心的な先生ならば、そう教えてくれるかもしれません。

散々努力しても報われない人が、圧倒的に多いのが、アートの世界です。

それが本当のところなのです。

ですが、

「それがめんどくさいし、難しいから、もっと楽に成功できる方法を探しているのです」

というのが、その道のプロに相談しない人たちの本音です。


熱心で、純粋だけれど、コツコツと面倒なことを努力するのは嫌いな人たちが、キラキラした夢を見せるビジネスで騙されていきます。

「本物は、地味で、めんどくさい」

このことを、頭と心に叩き込んでおいてください。

天国のように美しいものを見せる世界は、天国ではありません。