京都御所南 Gallery ICHIHARU アートお喋り空間

教養は一流の人脈をつくる。京都のアーティストが超一流の人生から学んだ、実学の教養空間。

経糸について

こんにちは。

蔵田かずえです。



私の尊敬している染織作家の一人、
志村ふくみさんの書かれたエッセイを読むと、
染織作家としての勇気や元気をいただけます。

社会がテクノロジーへどんどん邁進している今、
自分の進んでいる道が本当にいいのかどうか迷う時、
心の支えとなるようなものです。


志村さんは糸を染め、機を織り、
反物にし、着物に仕立てます。


私の作品は糸を染め、綴織という技法を用いた
タペストリーとして作品にしています。



志村さんも私も、機を織ることに変わりはありません。


機を織る作業は、まず整経(せいけい)といって
必要な経糸の本数と作品の長さ分の糸を巻き取り、
張力を整える作業から始まります。

そして、綜絖(そうこう)という緯糸を通すために
経糸を上下に開口させる器具に
経糸を一本一本通します。

続いて、筬(おさ)という織物の密度を決め、幅を固定させ、
経糸を整える器具にも経糸を一本一本通していきます。


先日制作した作品では、約600本の経糸
1本ずつ丁寧に、順番を間違えないように通しました。


本当に精神力・集中力のいる仕事です。

一本でも間違えれば、
その時点に返ってやり直さなければなりません。


志村さんの本に、以下のように書いてあります。

機の経は、経典の経の字だという。
 絶対にごまかしがきかない。
 たとえ、100本であれ、1000本であれ、
 1本まちがっても機は織れない。
 たった1本くらいと無精をきめこんで織りつづけると、
 最後まで傷つき放しとなる。
 人生にあてはめてみるとちょっと怖い話である。

(「色を奏でる」より抜粋 志村ふくみ・文 井上隆雄・写真 ちくま文庫)

色を奏でる (ちくま文庫)

色を奏でる (ちくま文庫)



本当にその通りです。
自分の精神状態が、そのまま糸に伝わります。


糸を扱っている時、よく絡まることがあります。
解こうとしますが、心穏やかでない日は
どうしてもその絡まりが上手く解けません。

イライラせずに解いていると、不思議と解けるんですね。
その時は、心も落ち着いている。


写経をしているような感じです。


そう言えば、地球にも緯度と経度があり、
「経」を使用しているのは不思議なものです。

因みに機織りの横糸は、「緯糸」と書きます。

一説には、縦横だと90度傾けると縦は横に、
横は縦に変化するから、変化しない「経」「緯」の
文字を使うとか。



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