京都御所南 Gallery ICHIHARU アートお喋り空間

教養は一流の人脈をつくる。京都のアーティストが超一流の人生から学んだ、実学の教養空間。

自信がなくても、画家になれますか。/続ける力を東山魁夷に学ぶ。

こんにちは。
毬紗です。


来年、芸大の大学院を卒業する方から、「絵は好きですが、日本画家になる自信がありません」とのご相談をいただきました。

自信はいりませんよ。

現在、大家と呼ばれている日本画家さんで、それほど自信家の人はいません。

自信よりも、

「探究心」

「根気」

この2つの資質を持っている方が多いです。


現在、京都国立近代美術館で展覧会が開催されている、日本画家の巨匠・東山魁夷も、探究心と根気の人です。

kaii2018.exhn.jp

若い頃、帝展で落選を繰り返し、自信を失ったあとで、見事な芸術性を開花させます。

展覧会の絵の、全体の成り立ちを、見てみてください。

若い頃の絵と、晩年の絵が、大きく違います。

作品を描き続けるほど、絵に深みが増し、完成度が高くなります。

人の心に染み入るような、清らかな境地に達していきます。


自信があるから、絵が変化したのでしょうか。

私は、そうとは思えません。

「これではダメだ」と根気よく、試行錯誤を繰り返した結果に思えます。


自信を持つことよりも、自信のないことを、根気よく続けることの方が難しいですよね。

それが、画家の精神を鍛えます。

東山魁夷も、落選続きの時に、

「やっぱり、やめよう」

と画業を捨ててしまっていたら、ここまでにはなりませんでした。

「もうやめようか」と、何度も逡巡したはずです。

もしかしたら、やめ損ねたのかもしれません。

それでも、なぜ続たのか。

「自信がなくても、評価されなくても、やめることができない」と、体の底から感じた日々があったからではないでしょうか。

やることを決めるよりも、「やめない」ということを選んだために、道が開けることがあるのです。


あまりにも、当たり前の回答になりました。

ですが、多くの偉業は「当たり前」の上に立っています。